夏井いつき 17音の旅 第2回

今日の一句

2021年1月11日(月) 成人の日 季語「かじかむ」/晩冬

 季語「かじかむ」は、寒気のせいで手足がこごえて動きにくくなることをいうが、心理的表現として使われることもある。上五「祝福」は、祝婚、出産、長寿祝いなど様々な場面が浮かぶ。が、現実の寒さによる「悴んで」か、祝福される人をうらやむ心理か、読みは果てしなく枝分かれする。
 ふと、コロナ禍で成人を迎える若者たちを思った。今は、世界が悴みきっているけれど、心からの祝福の拍手をわせる春は必ず来る。困難な時代を生きる若者たちにエールを贈りたく思う。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。