夏井いつき 17音の旅 第12回 季語「恋猫」/初春

今日の一句

2021年2月15日(月) 季語「恋猫こいねこ」/初春

松本たかし(まつもと・たかし) 1906年〜1956年、俳人。

 恋猫こいねことは、発情期の猫。のどを引きつらせるように、くねらせるように鳴く声はあまり気持ちのよいものではないが、俳人たちはそれを恋猫と名づけ、春の風物の一つとしてむのだ。
「からくれなゐのひも」は、飼い猫の首輪につけられた紐だと解するのが映像的解釈。だが、「恋猫」という単語を季語として読み解いていくと、「からくれなゐの紐」という詩語は心理的解釈を持ち得る。人の恋の情念もまた、こんな紐を引いているに違いない。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。