夏井いつき 17音の旅 第13回

今日の一句

2021年2月18日(木) 季語「しゅんぎょう」/三春

横光利一(よこみつ・りいち) 1898年〜1947年、小説家。

「罪」という言葉を目にしただけで、何やら後ろめたい気分になってしまう。違反なんてしてないのに、パトカーとすれ違うだけでドキッとしてしまう心理と同じかもしれない。中七「罪ほの暗く」は抽象的表現と読めるが、下五「~胃に残る」は心理的実感。罪の意識にじくじくとさいなまれ、眠れない夜を過ごしてのしゅんぎょうか。接頭語「ほの」は、迷いなのか、救いなのか。なぜか我が胃カメラのモニターに映っていた胃壁の桃色が思い出されてならない。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。