夏井いつき 17音の旅 第15回 季語「春の眠」/三春

今日の一句

2021年2月25日(木) 季語「春のねむり」/三春

高浜虚子(たかはま・きょし) 1874年〜1959年 俳人・小説家。

 しゅんみんはもちろん春の季語だが、あさも春の季語。「春眠あかつきを覚えず」と漢詩にもあるように、春は眠い季節なのだ。とはいえ、眠ってしまったら俳句を作ることは出来ないわけで、春の眠りに入る気分をこんなふうにからだに記憶させつつ眠れるのが、さすがは虚子。みんむさぼるだけではないのだ。金の輪をくぐるようにゆっくりと春の眠りに入っていく。金の輪がかすかに触れ合うような、金のひかりに吸い込まれていくような、そんな眠りこそが春のそれなのだな。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。