夏井いつき 17音の旅 第18回 季語「朧」/三春

今日の一句

3月8日(月) 季語「おぼろ」/三春

尾崎紅葉(おざき・こうよう) 1867〜1903年、小説家。

 尾崎紅葉は小説だけでなく、明治新派俳句をひきいる一人として正岡まさおか子規しきと並び称された。二人とも慶応3年生まれだが、紅葉はがんで、子規は結核性脊椎せきついカリエスで、共に30代半ばで死去した。
「ウエルテル」とは、ゲーテ著『若きウェルテルの悩み』の主人公だ。婚約者のいるぼうの女性ロッテへの絶望的れん。あのおぼろにすれ違ったのは、恋と死に迷う若者か。はたまた自分の影を見たか。若きウェルテルたちは、いまだ朧の中で永遠の問いに悩んでいるか。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。