夏井いつき 17音の旅 第19回

今日の一句

3月11日(木) 季語「へび穴をづ」/仲春

幸田露伴(こうだ・ろはん) 1867〜1947年、小説家・国文学者。

 幸田露伴は、ざき紅葉こうようと共にこう時代を築いた小説家。共に慶応3年生まれだが、紅葉が明治36年で没したのに対し、露伴は昭和22年まで生きる。いつ頃作られた句かは分からないのだが、プロペラをブルブル回して低空を飛ぶ飛行機だろう。冬眠からめたへびが穴を出ると、飛行機が頭上を悠々ゆうゆうと飛ぶ長閑のどかな良きより……と、ここまで書いて手が止まった。まさか戦闘機? と思ったとたんまったく違う世界が立ち上がる。俳句とは実に恐ろしい短詩系文学だ。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。