夏井いつき 17音の旅 第20回 季語「薇」/仲春

今日の一句

3月15日(月) 季語「ぜんまい」/仲春

川端茅舎(かわばた・ぼうしゃ) 1897年〜1941年 俳人。

じゃっこう」とは仏の住する世界。「しょうめつ変化がなく、煩悩ぼんのうによる乱れがなく、智慧ちえの輝くところ」なのだそうな。宗教上の知識はないが、綿わたが生えた「ぜんまい」の若い茎がいたるところに生えているのに出くわす気持ちは、ありありと想像できる。ふふふと笑ってしまう。どれもこれも愛らしい。「の」の字は春のかたちだなと思う。静かな笑みがねんにうかぶ。寂光土とは、そのような心持ちに似ているのかもしれないと思う、今日この頃の春である。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。