夏井いつき 17音の旅 第29回 季語「蝶」/三春

今日の一句

4月15日(木) 季語「ちょう」/三春

 春を実感する生き物No.1は「ちょう」ではないか。俳句の世界には「はつちょう」という季語もあり、その年初めて見た蝶として特別にでる。
「光ふ」から始まる一句。上五は象徴的意味をもたせた措辞そじかと思うと、「蝶」という生き物が出現し、「背中」という部位をズームアップし、「毛」という細部まで映像化する展開が面白い。さらに愉快なのは「毛むくぢやら」という着地。まるでむし眼鏡めがねのぞき込むような好奇心が明るくはずんでいる。素直な感嘆かんたんがみえる。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。