夏井いつき 17音の旅 第30回

今日の一句

4月19日(月) 季語「はなあんず」/晩春

川端茅舎(かわばた・ぼうしゃ) 1897年〜1941年、俳人。

受胎じゅたい告知」とは、天使ガブリエルがマリアの前に現れ、精霊せいれいによってキリストをはらんだことを伝える場面。様々な絵画にも描かれていて、精霊を象徴する白鳩、純血を意味するしら百合ゆりなど印象的な素材がちりばめられている。
はなあんず」は、梅に似た五弁の花。やや派手にしべをむき出すように開く。「びび」と近づく羽の音は、はちだろうか花虻はなあぶだろうか。受粉を告げる「おと」は、春という季節が妊む明るい命のひびきだ。天使ガブリエルの羽も「花杏」の色であったか。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。