夏井いつき 17音の旅 第39回

今日の一句

5月20日(木) 季語「うきくさ」/三夏

正岡子規(まさおか・しき) 1867〜1902年、俳人・歌人。

 池をおおうようにうきくさがはびこっている。眺めていると、一部分がらいだような気がしたのだ。こんな光景に出会うと、俳人たちは皆、足を止める。俳句のタネがあるかもしれぬと好奇心が動くから。そして、ひょっこりのぞいた亀の首にてんしておもむろに句帳を開くのだ。
 たままを書くのは案外難しい。「萍に動く」と「萍の中に動く」の違い。「動きて」あるいは「動くや」の選択。眼球がとらえた映像を言葉で再生する。ここが、俳句における工夫のどころというヤツだ。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。