夏井いつき 17音の旅 第48回

今日の一句

6月21日(月) 季語「紫陽花あじさい」/仲夏

篠原鳳作(しのはら・ほうさく) 1906年〜1936年、俳人。

たゆく」は形容詞「懈し」の連用形。疲れて力が出ない、だるいという意味にとればいいだろう。紫陽花あじさいに対する印象は人それぞれだろうが、色とりどりに咲く紫陽花が、雨に重たくれている様子は確かにだるく感じられる。「あぢさゐ」ではなく「あぢさゐの花」と念押ししているのは、紫陽花の球体と妊婦の腹のそうを印象づける意図か。うつむきがちに雨にれる紫陽花は、まさに妊婦の憂鬱ゆううつ。この紫陽花は、マタニティーブルーに咲いているのかもしれない。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。