夏井いつき 17音の旅 第49回

今日の一句

6月24日(木) 季語「楊梅やまもも」/仲夏

広瀬惟然(ひろせ・いぜん) ?〜1711年、俳人。

 一読、ヤマモモをたんと積んだ舟が、ゆっくりと川を下っていくさまを思った。上五「いそぎは」から始まるので、海の岩場か? と一瞬思ったが、「磯」の一字は「海や湖で石や岩の多い波打ちぎわ」を意味するらしいので、湖と解するのがとうなのかもしれない。が、私の脳内には、ヤマモモをたんと積んだ舟が、ゆっくりと川を下っていく光景が浮かんでいる。川沿いの何ヶ所かに寄って、収穫したヤマモモのかごを積み込んでいるのかもしれぬ。「やまもも舟の日和ひより」がなんとも穏やか。「かな」の詠嘆えいたんに思わずうなずきたくなるような一句。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。