夏井いつき 17音の旅 第50回 季語「青葦原」/三夏

今日の一句

6月28日(月) 季語「青葦原あおあしはら」/三夏

竹下しづの女(たけした・しづのじょ) 1887〜1951年、俳人。

 作者の人生を重ねることで理解が深まったり味わいが変わったりする句もあるが、この作品はままに味わいたい愛唱句の一つ。
 むとは、動物が巣を作って生活する意味。人間に用いる場合は、動物のようなあるいは非人間的な生活という意味合いにも解釈できる。となれば、「棲めば吾が」とうたい上げる吾とは、青葦原あおあしはらに生息する鳥か、魚か、さまざまな生き物の魂のたぐいか。「女王にて」と言い放ったとたん、吾は、広い青蘆原を駆け抜ける風となっているか。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。