夏井いつき 17音の旅 第51回

今日の一句

7月1日(木) 季語「かっこう」/三夏

種田山頭火(たねだ・さんとうか) 1882〜1940年、俳人。

 山頭火の作品は、そのきょうがいと重ねて読まれがちだ。母の自殺、神経衰弱による大学中退、家業の倒産、一家離散、自身の離婚、弟の自殺、出家と書き連ねるだけで悲惨。この句も、歩く人物を山頭火だと読めば、笠をかむり丸眼鏡をかけた雲水うんすい姿にせきりょうかんただよう。かっこうの別名はかんどり。「閑古鳥が鳴く」というじょうとうに出てくる名だ。
 が、づらのみを読めばリズミカルで心地よい。何を急いでいるかと呼びかけるような郭公の声。森をわたるそうかいな風も感じられて。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。