夏井いつき 17音の旅 第52回 季語「清水」/三夏

今日の一句

7月5日(月) 季語「清水しみず」/三夏

松根東洋城(まつね・とうようじょう) 1878〜1964年、俳人。

 季語「清水しみず」は天然の水。岩陰や地下から湧き出てくる水だ。
「絶壁」から始まる語順が実に効果的。この一語によって、のぞき込む絶壁あるいは垂直にそそり立つ絶壁を一瞬思うので、次なる「まゆ」の出現にドキッとさせられるのだ。絶壁から湧き出す水に近づく。岩肌に手をつき体を支え顔を寄せ眉をらしつつ、飲む。全ての言葉が「清水かな」のえいたんに収れんしていく。このリアリティが、のどを通る冷たい清水のリアリティとなる。うまくて、美味うまい。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。