夏井いつき 17音の旅 第56回 季語「羅」/晩夏

今日の一句

7月19日(月) 季語「うすもの」/晩夏

松本たかし(まつもと・たかし) 1906〜1956年、俳人。

 能楽師の家に生まれ、幼少から修行を始めるが、14歳ではいせんカタルをわずらう。神経衰弱にも悩まされ、能を断念し俳句の道へ。高浜きょに師事し、俳誌『ホトトギス』では川端ぼうしゃと並び称された。
 うすものとは、しゃなどを使った夏用の着物。けて涼しげで、張りのあるひんやりした着心地もいい。そんな羅の着物をいかにもゆったりと着ているのに、くずれた感じがない。季語「羅」の品位を見事に着こなす背筋と人格が、一句のしんをなしているのかのごとき作品。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。