夏井いつき 17音の旅 第59回

今日の一句

7月29日(木) 季語「」/三夏

三好達治(みよし・たつじ) 1900年〜1964年、詩人。

 あさ製のはごわごわしている。蚊を通さず風を通すという工夫の生活用品だが、イマドキはとんとお目にかからない。と思っていたら、通販サイトに様々なタイプの蚊帳が並んでいるのに驚いた。
 子どもの頃うちで使っていたのは、青のグラデーションで染められたもので、まさに「水に入るごとく」であった。蚊帳が張られた部屋は電気が消され、ぐらしんかんとしている。水に入るごとくに、ひんやりと蚊帳をくぐれば、水底のようながしんと体を包む。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。