夏井いつき 17音の旅 第64回

今日の一句

8月16日(月) 季語「菜虫」/三秋

下村槐太(しもむら・かいた) 1910〜1966年、俳人。

 明治43年大阪生まれ。様々な戦争を体験している世代だ。「もう敵機も来ない」というは、第二次世界大戦が終わった直後のつぶやきだろうか。今、戦うべきは青菜を食う「菜虫」であるよ、という平和。もう敵機の来ない空は、哀しいほど青いに違ない。
 槐太は、昭和21年創刊の主宰誌「金剛」を、27年に終刊させ、自身も筆を折る。昭和41年12月没。槐太の句「死にたれば人来て大根きはじむ」を初めて読んだ時の衝撃が忘れ難い。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。