夏井いつき 17音の旅 第72回

今日の一句

9月13日(月) 季語「つゆ」/三秋

川端茅舎(かわばた・ぼうしゃ) 1897〜1941年、俳人。

こんごう」とはぶつで、最もかたいものの意。金剛石(ダイヤモンド)を意味する場合もある。「金剛の露ひとつぶ」は、最もかたい存在であるかのようなりんりんたる「つゆ」であり、金剛石の輝きを放つ「ひとつぶ」でもある。きれ「や」は「ひとつぶ」をえいたんし、クローズアップし、カットを切り替え、下五「石の上」を映像化しつつ、比喩的意味をほのめかす。物に迷わないたとえの意も含む「金剛」の一語が、再び読者の心を打つ。なんとせいひつでなんときょうじんな句であるか。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。