夏井いつき 17音の旅 第74回 季語「名月」/仲秋

今日の一句

9月20日(月) 季語「名月」/仲秋 ※中秋の名月は9月21日

「名月」と「満月」は何が違うのか。「満月」は月が丸い状態だが、「名月」には、年に一度の中秋の月をでる心が含まれる。「名」の一字が示す本意を表現しようとすると、どうしてもベタになりがち。難しい季語なのだが、ダイオウイカとの取り合わせにぎもを抜かれた。「めいげつ(名月)」と愛でられ、「だいおう(大王)」とおそれられる二つのモノ。深い夜空と暗い深海。光る月と黒い目。下五「おおきい」という素直な賛辞は、名月を見上げ愛でるさんたんに重なる。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。