夏井いつき 17音の旅 第76回 季語「野分」/仲秋

今日の一句

9月27日(月) 季語「わき」/仲秋

芝不器男(しば・ふきお) 1903〜1930年、俳人。

わき」という気象現象と発熱とに、科学的いん関係があるわけではなかろうが、この真なる緊迫感はなんだろう。「野分」が近づくと風のにおいが変わる。湿度を含んだ生温い臭いに、病人のからだは敏感に反応してしまうのか。中七下五は、「しづかに熱のいでにけり」でも基本的意味は変わらないのに、「しづかにも熱」は微妙なニュアンスを加える。「しづか」ではあっても、野分に呼応するかのように熱を上げていく肉体の声。「にも」の静かな迫力にされる。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。