夏井いつき 17音の旅 第77回 季語「薄」/三秋

今日の一句

9月30日(木) 季語「すすき」/三秋

飯田蛇笏(いいだ・だこつ) 1885〜1962年、俳人。

 俳句は十七音しかないから、言葉の様々な特性を駆使し、多角的表現が工夫される。いんりつを例にとれば「をりとりてはらり」のリ音、「おもきすすき」のキ音によって母音イの響きがつむがれる。しなやかなひら表記は内容に寄り添う。とはいえ、韻律や表記は表層的要素だ。句の核にあるのは、折り取ってみると思ったよりも重いという触覚の精度。「はらりとおもき」というするどい感知。さらに「かな」というえいたんは静かな確信を含みつつ、美しいいんかなでる。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。