夏井いつき 17音の旅 第82回 季語「霧」/三秋

今日の一句

10月18日(月) 季語「きり」/三秋

小林一茶(こばやし・いっさ) 1763〜1827年、俳人。

「山霧」の「山」の一字の情報が、一句の味わいを左右する。きりという気象に、山という場所が加われば、自ずと「座敷」が映像として立ち上がってくる。この季節に開け放っている座敷とは、運座でも開いているのだろうか。一同が席題に頭をひねっていると、ひんやりと山霧が降り込んでくる。これも句材になるかと手を止めて眺めてみれば、あれあれ、「さつさと」抜けていったよ、という味わい。下五「哉」は、この地へのひょうひょうたるご挨拶を込めた俳諧味だ。

About the author

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語教諭の後、俳人へ転身。藍生俳句会会員。「第8回俳壇賞」受賞。創作活動に加え、俳句集団「いつき組」組長として、俳句の授業「句会ライブ」、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビ・ラジオにも出演多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。2015年より初代俳都松山大使。

『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)、『「月」の歳時記』(世界文化社)、『季語道場』(NHK出版)、『おウチde俳句』(朝日出版社)など著書多数。